大腿骨骨切り術│股関節班の症例など│浜松医科大学 整形外科学講座

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大腿骨骨切り術

大腿骨骨切り術│股関節班の症例│浜松医科大学整形外科学講座

患者さん自身の大腿骨の角度を変える骨切り術があります。適応は主として大腿骨頭壊死症という大腿骨頭の一部の血液の流れが悪くなって壊死をおこしてしまった方が対象となります。大腿骨頭回転骨切り術は、壊死範囲が大腿骨の前方に限局している場合、大腿骨頭を前方に回転させて、後方の健常な部分を荷重部にもっていく手術です(図12、13)。壊死範囲が比較的広くても前下方に健常部が残っていれば、骨頭を後方に回転させることも可能です。もし健常部が外側に存在していれば、その部分を荷重部に移動させる大腿骨弯曲内反骨切り術が適応になることもあります(図14、15)。また大腿骨頭回転骨切り術は術前計画も難しく、高度な手術手技を要することから、できるだけ簡便に確実に手術ができるように、コンピューターソフトで術前計画を行い、3Dプリンターを用いて実態模型を作成し、さらに患者さん個別の術中支援器具を作成して手術を行っています(図16)

  • 図1 術前 大腿骨頭の荷重部が陥没しています

    図1 術前 大腿骨頭の荷重部が陥没しています

  • 図2 大腿骨頭回転骨切り術後 荷重部は健常骨に置き換わっています

    図2 大腿骨頭回転骨切り術後 荷重部は健常骨に置き換わっています

  • 図3 大腿骨頭壊死症 壊死範囲が荷重部よりやや内側に位置しています

    図3 大腿骨頭壊死症 壊死範囲が荷重部よりやや内側に位置しています

  • 図4 大腿骨弯曲内反骨切り術後 壊死部が内側に移動し、荷重部には健常骨がきています

    図4 大腿骨弯曲内反骨切り術後 壊死部が内側に移動し、荷重部には健常骨がきています

  • 図5 3Dプリンターで作成した大腿骨頭回転骨切り術用の術中支援器具

    図5 3Dプリンターで作成した大腿骨頭回転骨切り術用の術中支援器具