News【第27回日本脊椎インストゥルメンテーション学会報告】

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第27回日本脊椎インストゥルメンテーション学会報告

~百折不撓のその先に~

今回の脊椎インストゥルメンテーション学会のテーマは「百折不撓」でありました。4年前に浜松医科大学が主幹でやった時は「鬼手仏心」であったことも考えますと、この学会は猛者の集まりという印象があります。その学会において大変嬉しい事件が起こりました。我々の医局長である大和先生がアワードを獲ったのです。その演題名は「パーキンソン病および関連疾患に伴う脊柱変形に対する矯正固定術-術後5年の中期経過報告-」というもので、パーキンソン病という不治の病に対して我々脊椎外科医がいかに関わっていくかということに対する1つの解答とも言える内容でした。大和先生の発表が終わり、質疑応答の時間となりました。その質問をする方々が各大学の教授ばかりで、しかもその内容が大和先生に対する敬意が込められた内容なのです。パーキンソン病に対する脊柱変形矯正固定術はそれだけで大変な治療で、それをしっかりと術後もフォローし続けている姿勢が評価されたのだと思いました。術後も順風満帆な方ばかりではなく、パーキンソン病自体が徐々に悪化し、生活が不自由になっていく方もいらっしゃいます。それでもしっかりと真摯に患者さんと向き合っていくことが我々の責務であり、その模範として大和先生が評価されたことは我々医局員としても大変誇らしいことです。百折不撓の精神のその先に起こったこの事件は、まさに今回のインストゥルメンテーション学会のハイライトであったと私は考えます。
大和先生、おめでとうございます!賞金が出ましたら宜しくお願い致します!
写真に写っているのは大和先生と今回の会長である東京医科歯科大学の大川 淳教授です。大川先生はとてもスマートな面立ちですが、「百折不撓」のテーマを打ち出した張本人であり、やはり内に燃え盛る情熱を秘めた猛者の代表なのだと思います。最終日のシンポジウムでとても印象的であったのが、大川会長御自身が最終演題の質疑応答の際に自ら発言されたことです。「今回の百折不撓というテーマのシンポジウムで若い先生方は10年分の勉強を1日で出来たと思います。これからも頑張って下さい。」と激励を述べられたのです。我々若い世代はこの有り難い経験をしっかりと受け止めて、百折不撓のその先を創造していけるように精進していかなければならないなと強く思いました。